世界連鎖恐慌の犯人

世界連鎖恐慌の犯人 (Voice select)

世界連鎖恐慌の犯人 (Voice select)


インベストバンクとヘッジファンドに対する怒り。

著者の両者に対する感情がはっきりと伝わってきます。


そもそもインベストバンクとヘッジファンドは実業ではなく、虚業

実態がないのに多大なお金をいろいろなものに投資していくだけで莫大な利益をあげている。


「すべての経済はバブルに通じる」でも書かれていましたが、利益のみを追求しだすと、実態とどんどん乖離していくのは避けられないのでしょうか。


それにしても本書で紹介されているインベストバンクとヘッジファンドのやり方は凄まじいの一言に尽きます。

「金融異星人」と書かれている訳がよくわかります。


金融危機関連の本の中の白眉と紹介されていたので読んでみましたが、確かにこれまでと違う視点に気づかされたのは大いに収穫でした。



アメリカの金融資本主義の世界では、お金の増えそうなところにお金を入れる。

入れるのはホテルでも自動車会社でも、何でもいい。

大事なのは「どこに入れれば、お金がいちばん増えるか」である。

この考えは徹底的に間違っている。

本来大切なのは、「どこに入れれば、いちばん人の役に立つか」を考えることである。

そして実際に人の役に立たせる。

人の役に立てば価値が向上する。

価値が向上すれば、結果として、入れたお金はリターンを伴って帰ってくる。

このような考えに変わらなければならない。








世界連鎖恐慌の犯人 (Voice select)

世界連鎖恐慌の犯人 (Voice select)

情熱・熱意・執念の経営

情熱・熱意・執念の経営 すぐやる! 必ずやる! 出来るまでやる!

情熱・熱意・執念の経営 すぐやる! 必ずやる! 出来るまでやる!


日本電産の永守社長の本。

年明けすぐの日経ビジネスで永守社長の記事を読んでからずっと気になっていました。


会社が倒産寸前のときに比叡山の坊さんから「節分まで待てば運気が変わる」と言われ、我慢していたら本当に節分直後に大型の受注がとれたと、ほんまかいなというような逸話の持ち主であります。


それにしても永守社長の仕事に対する姿勢は大いに見習いたいと思います。


4月から小さいけれどもやりがいのある会社に転職するので、1年365日、食事と入浴以外は全部仕事は実践していかなくてはなりません。


厳しい姿勢の中にも社員に対する愛情、人材が一番と考えていることがこの会社の急成長を支えている。


以前「休みたい人は会社を辞めろ」と発言して物議を醸しましたが、永守社長の発言を一つずつ追って行けば、本当に社員を大事にしているなと本当に感心します。


しかし、王監督も以前「プロはシーズンオフでも休むな。休むのは引退してからいくらでもできる」と言っていましたが、道を極めた人に共通する独特のメンタリティーをいうものはあるのだなと痛感しました。




■一人の百歩より百人の一歩

会社経営の要諦はどこにあるのかといえば、一人の社員の百歩に頼るのではなく、百人の社員に一歩ずつ歩んでもらうという地道な前進をいかに継続させていくかにあると思っています。


■経営の極意

会社の経営を極限まで突き詰めていくと、実に単純明快な答えが導き出されます。

それは、原理原則にしたがって、当たり前のことを当たり前にやっていくということで、これ以上でもなければ、これ以下でもありません。


■優良企業の共通点

極論すると、当たり前のことを当たり前にやり、その日にやるべきことを翌日に残さないという二点が、優良企業に共通するポイントです。


■企業にとっていい人材とは

企業にとっていい人材というのは、……心の中に種火を持っていて、自分で自分のやる気に火をつけられる人が、いい人材だといえます。


■意識の差は百倍

個人の能力の差というものはせいぜい五倍くらいですが、意識の差は百倍になるというのが、わが社の採用と教育のベースとなっています。


社員教育の基本

社員教育の基本は、知識を詰め込むことでも、技術を教えることでもなく、「怠けるカメ」を「怠けないカメ」にすることだというのが私の考えです。


■去ってほしい社員の条件

・知恵の出ない社員       ・すぐに他人の力に頼る社員
・やる気旺盛ではない社員    ・よく休みよく遅れる社員
・言われなければできない社員  ・すぐ責任転嫁する社員
・すぐ不平不満を言う社員


■経営者への扉

自らの責任のもと、即断即決で経営判断を下してこそ真の経営者です。

ことあるごとに会議を招集し、合議制と称してのろのろと経営の舵を取っているようでは、管理者以外の何ものでもありません。







情熱・熱意・執念の経営 すぐやる! 必ずやる! 出来るまでやる!

情熱・熱意・執念の経営 すぐやる! 必ずやる! 出来るまでやる!

会社は毎日つぶれている

会社は毎日つぶれている (日経プレミアシリーズ)

会社は毎日つぶれている (日経プレミアシリーズ)


何と言ってもタイトルが秀逸。

各種書評で取り上げられているのを見て迷わず買ってしまいました。


内容は、「社長業」=「危機管理」をとことん語っています。

さすが就任から6000億円もの不稼働債権の処理を断行した会社の社長が書いた本だなと感心しました。


で、タイトルの「会社は毎日つぶれている」の会社とは世の中にたくさんある中のどこかの会社が毎日つぶれているのではなく、手をこまねいていると自分の会社が毎日倒産の危機にさらされている。

だから、常に会社のどんなところにも注意を払えと繰り返し繰り返し書かれています。


部下の「大丈夫」は大丈夫ではない。

今の小さな問題が明日の壊滅的な要因になる。


などなど…実際にかかわった人間でなければ語りつくせないものばかりでした。


ちなみにうちの会社はやばいやばい社内で言われながら根本的な対策を何年もたてないまま本日賃金の一律カットを社員に発表しました。


この決断が会社を救うでしょうか……


不安でいっぱいです。








会社は毎日つぶれている (日経プレミアシリーズ)

会社は毎日つぶれている (日経プレミアシリーズ)

ダンナ様はFBI

ダンナ様はFBI

ダンナ様はFBI


本屋では女性エッセイのコーナーに置いてありましたが内容はかなりビジネス書の要素が多く盛り込まれています。


久しぶりに軽い本でも読もうかなと思い気軽に読んでいたのですが、良い意味で期待を裏切られました。


それもそのはずで、あとがきでエリエスブックの土井英司さんに謝辞を述べており、「10年愛」のメンバーということで「あ〜なるほど」と1人納得しました。


確かに外観だけだと、どたばたエッセイという印象なので、ビジネス書のところにおいてあればまた売れ行きも変わってくるのではないでしょうか。


それで内容の方は、コピーライターである著者が元FBIアメリカ人ジムとの結婚生活でFBI流の考え方を教え込まれるというものです。

簡単にまとめると、「危機管理」「外見からのマインドセット」「プロファイリング能力」の3つ
になります。

FBIの「危機管理能力」「プロファイリング」は言わずもがなですが、「外見からのマインドセット」はこれでもかというくらい徹底していました。


人は外見の印象に左右される。

だから自分もビジネスで他人に好印象を持たれるような格好をする。


口で言うのは簡単ですが、そこまでできるかというレベルです、本当に。


だって通勤途中でお母さんが子どもを保育園に預けに行くのでも、ママチャリはダメ。

なぜならその姿が美しく、その自分自身の姿が自分のセルフイメージを形づくる要因になってしまうから……


たぶん、私は自分の奥さんに言ったらマジギレされるでしょう。

しかし、FBIが言えばかなり説得力があります。

そんな目から鱗みたいな話がたくさん。しかも読みやすいので助かりました。

とりあえず奥さんに進めるにはもってこいの1冊でした。






ダンナ様はFBI

ダンナ様はFBI

100年に一度の金融危機から資産を守る方法


資産を守るために大事なのは、「経済のシナリオ」を理解するかどうか。

本書は、この「経済のシナリオ」を軸に話を組み立てています。


世界の基軸通貨ドルを中心としたアメリカ経済の基幹産業である金融業。

この金融業界にどのくらいの投資を世界中から呼び込めるか、アメリカ経済の中心はここにあったのです。


金融業というとリーマンやゴールドマンサックスなどが想像されますが、GMやGEなども金融で多くの利益を得ていたというのは驚きでした。


で、こんかいの大不況でアメリカへのマネーの還流がストップしたわけですけれども、それじゃアメリカは困るから何とかして新たな流れをつくりましょう。

そのためにグリーンスパンオバマなど国をあげてなりふり構わず次の投資対象を世界の投資家に提示しますよ。

だから、世界経済はまた上向きになりますというのが、大筋のシナリオのようです。


このへんのことは「すべての経済はバブルに通じる」と似通ったところなので、印象に残りました。


それにしても本書のように仮説を立てて、次の流れに備えるということは、投資だけでなく、ビジネスでも必須のことです。

やはり成功する人というのは、このような仮説思考、大局観というものを持っているのではないか、そんなことの頭に浮かべました。



■「経済のシナリオ」がわかれば、資産は守れる!増やせる!

経済状態に関係なく、「経済のシナリオ」がわかっていれば、資産は減るどころか増やすことも簡単です。


アメリカが考えるカラク

しかし、世界にばら撒いたドルを、ドルの価値を下げずにもう一度アメリカに還流させなければ、彼らが潤うことはありません。

各国、あるいは海外の企業、投資家がそのドルを持って、アメリカで使ってくれなければ、自分たちへの利益に結びつかないからです。

そこで彼らは、壮大な金融マーケットをつくり、そこへドルを還流する仕組みをつくりあげました。

いわゆるカジノ経済です。

金融マーケットにおける運用益は半端でなかったため、海外の莫大なドル資金がアメリカの金融機関をつうじて金融マーケットにどんどん流れ込み、世界的なドルの資金循環が生まれました。

それがアメリカの基幹産業、つまり金融業を栄えさせたのです。







人が集まる!行列ができる!講座、イベントの作り方

人が集まる !行列ができる !講座、イベントの作り方 (講談社+α新書)

人が集まる !行列ができる !講座、イベントの作り方 (講談社+α新書)


行政の講座、イベントで行列ができる。

これってすごいことだと思いませんか。

年に一度著名人の講演をやるねど打ち上げ花火的なイベントならわかるんですが、毎週・隔週の連ソク講座で8割方申込みが殺到するなんて、プロでも難しいような気がします。


この本はそんな行政の講座・イベントで凄い実績を誇る牟田静香さんの講座・イベントの作り方の本。


かなり細かいことまで書いているのですが、大事なのはやはりお客さまの姿を想像すること。

誰をそんな講座に呼びたいか、そしてその講座は自分自身が行きたいのか。


言われてみれば、当り前のことです。

それに、本書では集客の方法についても非常に詳細に紹介されています。

タイトルのつけ方から、チラシの作成方法、さらにはチラシの配置の仕方など、超実践的なことばかり。


営利目的ではなく無料の講座が多い自治体で実績を残せるということは、それだけ講座に魅力があるということ。

さっそく参考にしていきたいと思います。





■講座に人を集めるポイント

1 いろいろな人々が抱えている課題を分析しターゲットを徹底的に絞ること

2 そのターゲットの心に響くタイトルをつけること


■人を集めるとはどういうことか

「人が集まらないのはつまらないから、面白くないからですよ」

「面白ければ連続講座でも人は来ますよ」


■これさえあれば人が来る!「面白さ」とは何か?

何より、この講座はまさに「私が行きたい講座」だったのです。


■ターゲットとゴール

人が来た講座というのは、やはりタイトルに目的が見えるものということがわかったのです。

「誰にでも来てほしい」は誰も来ない。


■こんなタイトルで人が来たのは見たことない!

1 法律、条例の文言や講座目的そのまんまのタイトル

2 社会背景表現型

3 疑問を投げかけるタイトル

4 認知率の低い言葉を使っている

5 受講者の立場を否定するタイトル

6 レッツ系


■三大「ダメダメチラシ」

1 役所の書類みたいなチラシ

2 前年度踏襲型のチラシ

3 自己満足型チラシ


■熱意が作る「女神のサイクル」

まず基本的なこととして講座の企画から広報・宣伝活動、当日の講座運営、さらには講座終了後にまとめをし、その結果を次の講座の企画にいかしていくということを行いました。

過去に人が集まらなかった講座の報告書に目を通し、失敗事例に学んだのです。私はこのサイクルを「女神のサイクル」と呼んでいます。

しかし、なんといっても重要になってくるのは、担当者の熱意と努力だと思っています。







人が集まる !行列ができる !講座、イベントの作り方 (講談社+α新書)

人が集まる !行列ができる !講座、イベントの作り方 (講談社+α新書)

バブルの物語

新版 バブルの物語

新版 バブルの物語


またしても金融関係の本。

それにしてもバブルというものは終わってみないとわからないということが悩ましいですね。

正直、こんな本が早くに出てるなら、誰かはじける前になんとかしろよと思ってしまいます。


20年も前にこの本が世に出ていますが、その間にもITバブルや今回のサブプラショックなど、金融に関する記憶はせいぜい20年といったガルブレイスの予測を上回る速さで、バブルが弾けています。


たぶん、現在のような資本主義社会では、バブルをなくすことは不可能でしょう。

逆に、このようなある意味後先考えない突っ走ったエネルギーが人類社会を動かしている部分もあるような気がします。

だから、バブルに踊る「熱狂」がなくなったとき、停滞してしまうかもしれません。


それとも現在の経済至上主義から脱却して、心の豊かさを追求する世の中になったら、なくなtyているかもしれませんね。

それでも、そのベクトルに向かうエネルギーの一部は違うバブルに向かって突っ走っていくとは思いますがいかがでしょうか。



■投機のエピソード

投機のエピソードは常に、ささやきによってではなく大音響によって終わる。

陶酔的熱病のエピソードは、それに参加している人々の意思によって、彼らを富ましている状況を正当化するために、守られ、支えられる。

また、それに対して疑いを表明する人を無視し、厄介払いし、非難する意思によっても、同様に防衛されている。


■投機に共通する要因

1 金融に関する記憶は極度に短い(せいぜい20年)

2 金と知性が一見密接に結びついているかのように思われていること


■一九二九の大恐慌

この金融上の革新とは、いつものことながら、「てこ(レバレッジ)」の驚異が再発見されたこと、ならびに天才としてもてはやされた人が続出したことである。


■愚かさと高度の懐疑主義(本書全体の教訓)

金と密接にかかわっている人たちは、ひとりよがりな行動や、ひどく過ちに陥りやすい行動をすることがありうる。

興奮したムードが市場に拡がったり、投資の見通しが楽観ムードに包まれるような時や、特別な先見の明に基づく独特の機会があるという主張がなされるような時には、良識あるすべての人は渦中に入らない方がよい。






新版 バブルの物語

新版 バブルの物語