100年に一度の金融危機から資産を守る方法


資産を守るために大事なのは、「経済のシナリオ」を理解するかどうか。

本書は、この「経済のシナリオ」を軸に話を組み立てています。


世界の基軸通貨ドルを中心としたアメリカ経済の基幹産業である金融業。

この金融業界にどのくらいの投資を世界中から呼び込めるか、アメリカ経済の中心はここにあったのです。


金融業というとリーマンやゴールドマンサックスなどが想像されますが、GMやGEなども金融で多くの利益を得ていたというのは驚きでした。


で、こんかいの大不況でアメリカへのマネーの還流がストップしたわけですけれども、それじゃアメリカは困るから何とかして新たな流れをつくりましょう。

そのためにグリーンスパンオバマなど国をあげてなりふり構わず次の投資対象を世界の投資家に提示しますよ。

だから、世界経済はまた上向きになりますというのが、大筋のシナリオのようです。


このへんのことは「すべての経済はバブルに通じる」と似通ったところなので、印象に残りました。


それにしても本書のように仮説を立てて、次の流れに備えるということは、投資だけでなく、ビジネスでも必須のことです。

やはり成功する人というのは、このような仮説思考、大局観というものを持っているのではないか、そんなことの頭に浮かべました。



■「経済のシナリオ」がわかれば、資産は守れる!増やせる!

経済状態に関係なく、「経済のシナリオ」がわかっていれば、資産は減るどころか増やすことも簡単です。


アメリカが考えるカラク

しかし、世界にばら撒いたドルを、ドルの価値を下げずにもう一度アメリカに還流させなければ、彼らが潤うことはありません。

各国、あるいは海外の企業、投資家がそのドルを持って、アメリカで使ってくれなければ、自分たちへの利益に結びつかないからです。

そこで彼らは、壮大な金融マーケットをつくり、そこへドルを還流する仕組みをつくりあげました。

いわゆるカジノ経済です。

金融マーケットにおける運用益は半端でなかったため、海外の莫大なドル資金がアメリカの金融機関をつうじて金融マーケットにどんどん流れ込み、世界的なドルの資金循環が生まれました。

それがアメリカの基幹産業、つまり金融業を栄えさせたのです。