君に志はあるか
- 作者: 松下幸之助
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1995/10
- メディア: 文庫
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松下政経塾を創った松下幸之助が塾生からの質問に直に答えた問答集。
本書は開塾4年目を迎えたころの内容です。
当時は昭和58年となっていますが、松下幸之助の言ったことは、現代にもまったく通じるものが多々ありました。それだけ本質的なことを捉えての発言だったこともありますが、反対に特に政治などがまったく進歩していないことの表れだという気もします。
とにかく、30年前の本と思って甘くみてはいけない本です。
塾生の熱意・思い、松下幸之助の大局観は、普段の生活では絶対に味わえない雰囲気のものだと思うので、「自分の人生まだまだこんなものじゃない」と思っている人には、とてもよいカンフル剤だと思います。
■成功するまであきらめない
(塾是・塾訓・五誓の中の「成功の要諦は成功するまで続けるところにある」に対する塾生からの質問に対する回答)
辛抱してやり続けていったら必ず成功するかというと、中には百年やっても成功しない、千年やってもダメだというものもあります。それはやはり、どこかで見切りをつけなくてはならない。
「これは、いくらやってもダメだ。成功するまで続けようと思ったけれど、根本的に間違っているな」と、気付かなくてはいけないわけです。
それを気がつかずに、成功の秘訣は成功するまでやめないことだということを聞いて、そのとおりやっていたら、いわゆるバカ正直になってしまいます。
だから、そういうみきわめには、英知を働かせなくてはいけないと思います。
しかし、だいたいにおいては、やはり「成功するまでやめない」というぐらいの志を持ってやらないと、成るものも成らないということですね。ちょっとやってみて、うまくいかなかったら、簡単に「もうダメだ」というようなことでは、何をやっても成功しないでしょう。
やっぱり、根気よく続けてなくてはいけないということを、この言葉は教えているわけです。
■自分で自分を叱る
だから、何か困難に出合ったような時には、これ(自己観照)をやったらいいのです。
自分の外へ出て行って、そして自分を見てみる。
「ああ、自分はこんな人間だったか。今、こういうことで迷っているな。これではいかんな」と。
そう気がついたら、自分で自分に言って聞かす。
私が言わなくても、私の代わりに、君が自分で自分を叱ったらいいわけです。
「そんなことをしたらいかんぞ」と。
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