本を読む本

本を読む本 (講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)

読むに値する良書を、知的かつ積極的に読むための規則を述べた本。

正直、本を読むときに線を引いたり、メモしたり、余白に書き込むことがとても苦手で、さらに本を頭から一字ずつ読まないと気が済まない性分なもので、この本を読むことにしました。

本書では、「本を読む」ことを4つの段階に分類しています。

1 初級読書
2 点検読書
3 分類読書
4 シントピカル読書

ひとつひとつの説明は省略しますが、本書で述べられているのは読書のレベルが上がっていくことによって、

・どんな内容の本なのか。
・著者は何を問題としているのか
・読者は、本の内容を理解した上で、どのように内容を解釈していくのか

ということの重要性が段階を踏んで述べられています。



今回、こうして体系だった読書術の本を読んでみたわけですが、「読書術」というものは「時間管理術」と非常に似ているのではないかと思います。

普段、私たちは目の前にある出来事ばかりに気を取られ、長期的な目標や夢を踏まえた行動をなかなかとることはできません。読書術でも、読書の目的や内容のアウトラインをつかむことなく、漫然と頭から読み進めることを厳しく注意しています。

それに、「著者に対し問いかけをすること」や、「著者の問題としている点は何であるかを知る」ということは毎日の行動を振り返り、今後の行動にフィードバックしていくことと同じように思えます。


つまり、「積極的な読書」とは、非常に戦略的なものであるということ。

さらに言えば、私たちの時間管理も戦略的に行わなければいけないということです。


要するに「敵を知り己れを知らば、百戦して危うからず」の孫子の世界観に通ずるものがあるのではないでしょうか。結局は、すべての行動は、目的づけ・動機づけをきちんと行ってから実行することが必要なんでしょうね。。





以下は、私なりの読書メモです。


点検読書の段階では、まず本を読む前に目次や下読みをすることで、本の概観をつかむことが必要。

分析読書では、さらにどんな本かを分類し、要旨の把握をしながら著者に対し問いかけをすることにより、「著者の問題としている点は何であるかを知る」ことの必要性が説かれています。

実際、日常的に読書をしていますが、点検読書はほぼ行っているつもりですが、この段階の分析読書は正直きちんとやっている自信がありません。


このように本の内容・問題点を理解して初めて、「言葉」から背後にある「思想」を読むとる、いわゆる解釈ができるようになるといいます。

解釈にしても、「わからないこということをまず知ること」「自分の言葉で述べるようにすること」「著者の解決が何であるかを検討する」など、意識的にほとんどやったことのないことばかりです。まあ、文中でもこれはあくまで理想とは言っておりますが・・・

でも、ブログでこうして書評めいたことを書いているのは、ずばり本書で指摘されているようなことを身につけたいために始めたようなものですから、自分自身の今後に期待です。

本書全般については、まずは分析読書をある程度できるようにすることが私の当面の目標ではないかと思います。第4段階のシントピカル読書は、将来の目標にとっておきたいと思います。