中学受験の失敗学

中学受験の失敗学 (光文社新書)

中学受験の失敗学 (光文社新書)


中学校受験。

その年ごろの子供がいない人には無縁の世界だと思います。

実際、自分もそう思っています。

しかし、自分の周囲には、我が子の中学受験のために家族をあげて取り組んでいる人が実在したので、その世界がどんなものなのか知りたくて読んでみました。


そこにあったものは、「つかれた親」です。

中学受験に取りつかれ、暴走の末に疲れ果ててしまう親たち。


受験に過剰な期待と投資をして、生活を一変させてしまう。

ありえない事例がたくさん紹介されていますが、本当に怖いのは、自分が近い将来「ツカレ親」になってしますこと。

正直、「モンスターペアレント」になるのも怖いんですが、ここにも一つ落とし穴があったとは・・・

何ごとも自制心と自律心がないと、立ち位置を見失うことになるという、いい教訓でした。


■ツカレ親とは

ツカレ親とは、「子どもの学力に見合わない志望校を掲げ、塾や家庭教師に費やした時間が勉強した時間だという勘違いのもと、どこまでも暴走を続けてしまう親」のことです。

しかし、必ずしも「低学歴」というわけではありませんし、子どもの躾を怠る「悪い親」というわけではありません。


■エリート系ツカレ親の増殖

わが子のこととなると冷静な判断力を失うという点では、父親も母親もそう変わらないのです。


■子どもの精神や家族関係への悪影響

中学受験そのものが不幸の生産装置になっているということではなく、中学受験をさせる以上、そこに伴われているマイナスの可能性に意識的でなければならないということです。




それにしても、この本を読んで思うことは、子どもにはなるべくいい環境で育ってほしいという親の気持ちはやはり強いなということです。

個人的には、学歴なんてものは子ども本人が勉強したければ勉強して、入りたいと思う学校に入ればそれでいいと思っています。

親としては、その希望に応えられるような経済力は持っていたいなという感じです。

大事なものは学歴ではなくて、知識を得たい、知恵を身につけたいという欲求、好奇心を小さい頃に植え付けられれば、放っておいても自分の進みたい方に行ってくれるのではないかなと考えておりますが、いかがでしょうか。







中学受験の失敗学 (光文社新書)

中学受験の失敗学 (光文社新書)