私をうつにした職場


うつにかかるビジネスマンが「赤点社員」なのではなく、うつを生み出す職場こそ「赤点職場」なのだ。

私の職場にもうつになる人が後を絶ちません。

神田昌典さんの「成功者の法則」で、病欠する社員が続くのは、社員のせいではなく、職場に問題があると書かれていたのを見てから、これは自分の職場も同じではないかとずっと思ってきました。


そんな訳で、本書のタイトルと冒頭の言葉を見て、即買してしまいました。

中身は、うつになる職場の共通点、うつへの対応法など一通りのことが書かれています。

最終的には、「赤点職場」しないための対策が紹介されていますが、基本的に以前読んだ「不機嫌な職場」のフレームワークをそのまま紹介していたような感じです。

結論に新鮮味はありませんでしたが、あらためて職場のあり方を考えさせられました。

でも、やはり思うのは、職場のコミュニケーションが重要とありますが、それもコミュニケーションの質と量によるものだと思います。

詳しくなると愚痴になりますが、例えて言うなら「飲みすぎれば果汁でも毒になる」(ヒンズーのことわざ)といったところでしょうか。



■こんな職場に誰がした

「幸福な家庭は互いに似ているが、不幸な家庭はそれぞれに不幸な顔を持つ」とロシアの文豪トルストイが著したように、不機嫌な職場の原因は多種多様、そして複合的だ。


■職場環境の悪化と精神疾患

かつてうつは「中年期からの病気」とされ、「20代、30代の患者はまれ」というのが定説だった。

ところが現在のボリュームゾーンは、若い働き盛りの世代に移っている。


■休職中はゴロゴロ、ダラダラが鉄則!

質のよい休養のポイントは「十分な睡眠」「栄養補給」「行動の制限」


■〝仕事中だけ〟うつ病になる30代が増えている

新型うつの患者は病気を隠さない。

進んで病院を訪れ、躊躇せず会社を休む。


うつ病の患者は神経が〝戦闘モード〟

仕事を休ませるかどうかの判断は、第一に勤怠が整わない場合、第二に、出勤はしているが、仕事にはなっていない場合。


■〝5割の力〟で仕事なんて絶対にありえない

「うつはこころの骨折」だ。

「ふだんの5割の仕事量で働き続けなさい」などと言う医師もいるが、暴論である。

これは骨折をした運動選手に「5割の力で走れ」と言っているようなもので、病気が悪化するのは火を見るより明らかである。


■あなたの職場の感情を測ってみる

「個人の気分」と「組織感情」は相互に影響し合う。


■社員の協力を阻む3つの要因

1 仕事の高度化・専門家
 組織がタコツボ化する → 個人に閉じた働き方になる

2 コミュニティの喪失
 評判情報が流通しなくなる → 相手のことが見えなくなる

3 長期保障神話の崩壊
 将来への期待・保障がなくなる → 今の損得で交換関係になる


■明日からできる!脱・赤点職場術

1 タコツボ化を防ぐ構造づくり
 ・仕事を公開する
 ・発言や参加の壁をつくらない
 ・理念、考え方を共有する

2 評判情報を流通させる仕掛け
 ・人となりの情報を共有する
 ・インフォーマル活動を見直す
 ・共通体験、感情を共有する

3 協力へのインセンティブを生む仕掛け
 ・協力し合える場をつくる
 ・自発的協力をマナー化する
 ・感謝、認知をフィードバック


■うつになって気づく幸福もある

うつの経験者は、一様に「うつになって本当によかった」と語る。

発病によって、それまで無理をしていた自分に気づいたり、家族のありがたさを身にしみて知ったりすることができた、というのだ。